脳梗塞の看護計画|急性期の観察と嚥下・離床・再発予防の支援

脳梗塞の看護計画は、神経症状の変化を早く捉えることと、患者が安全に食べる・動く・意思を伝えるための支援を結びつけて立てます。突然の麻痺や言葉の出にくさなどが出現・悪化した場合は、予定したケアより緊急評価を優先します[1]。ここでは成人の急性期入院患者を想定します。再灌流療法後などの管理は治療内容によって異なるため、医師の指示、施設の手順、リハビリテーション職の評価に合わせて個別化してください。

看護計画名:脳梗塞に伴う神経機能の変化と日常生活動作の困難

看護目標

期限と到達点は設定例です。障害の程度や治療段階に合わせ、必要な支援を受けて達成できる目標を選びます。

短期目標

・次の24時間に、理解力や運動機能に合う方法で、苦痛や普段と違う感覚をスタッフに伝えることができる

・次の食事開始時までに、嚥下評価と説明を受け、許可された摂取方法で栄養・水分の支援を受けることができる

・次の移乗時に、決められた介助や補助具を用いて安全に姿勢を変えることができる

・翌日までに、休息を挟みながら、清潔や更衣など本人が選んだ動作の一部に参加できる

長期目標

・転棟・退院時までに、必要な介助を受けながら、本人の生活に必要な移動や排泄を行うことができる

・療養場所の移行時までに、個別に決めた食形態・姿勢・介助方法で摂取を続けることができる

・退院時までに、本人の理解力に応じた資料や家族等の支援を用い、服薬と通院を続ける方法を確認できる

・退院時までに、再発を疑う症状があるときの連絡・救急要請の方法を、支援者と確認できる

看護計画

以下は資料の推奨を日常の観察・援助・説明に応用した計画例であり、ガイドライン所定の様式ではありません。

O-P:観察・評価項目

・発症時刻、最後に普段どおりだった時刻、症状を発見した時刻と情報提供者

・意識、瞳孔、顔面や上下肢の動き・感覚、発語・理解、視線などの前回との違いと変化の時刻

・血圧、脈拍・不整脈、呼吸、SpO₂、体温、血糖など指示された観察項目と治療ごとの報告基準

・口腔内の状態、唾液の処理、嚥下スクリーニングの結果と食事の許可内容

・摂取量、尿量、体重変化、皮膚の状態など栄養・水分管理に必要な情報

・寝返り、座位、移乗時の介助量、注意の向け方、疲労、痛みと本人ができる動作

・言葉以外で意思を伝える方法、説明の理解、本人の希望や困りごと

・抗血栓薬等の使用状況、出血を疑う変化、穿刺部や留置物の状態

T-P:ケア・実施項目

・新しい神経症状や意識低下は直ちに応援を求め、開始・発見時刻と前回との差を報告する

・呼吸・循環が不安定な場合は院内の急変対応手順を優先し、必要な観察と処置につなげる

・観察頻度、血圧等の管理範囲、治療後の安静や穿刺部の管理を医師の指示で確認する

・訓練を受けた担当者による嚥下スクリーニングと摂取可否の確認前は、水・食事・内服薬を口から与えず、必要な投薬や栄養の経路をチームに確認する

・摂取開始後も食形態、姿勢、介助方法を統一し、変化があれば中断して再評価につなげる

・離床の開始時期・段階・中止基準をチームで共有し、短い活動と休息を組み合わせる

・移乗時に麻痺側上肢を引っ張らず、肩と上肢を支え、運動方法を理学療法士・作業療法士に確認する

・口腔ケア、体位調整、排泄援助などを、治療上の制約と本人の反応に合わせて行う

・ナースコールや必要物品の位置を本人と試し、使いにくい場合は代わりの呼び出し方法を整える

・短い質問や絵・文字、指差しなどを使い、返答を待って本人の意向を確認する

E-P:教育・説明・生活支援

・本人と家族等に、急な麻痺、言葉・見え方の変化などはすぐスタッフへ知らせるよう説明する

・経口摂取の許可範囲を伝え、面会時の飲み物や薬も自己判断で与えないよう説明する

・移乗や更衣の介助方法を実演し、支援者が行う場合は安全に再現できるか一緒に確認する

・薬の目的、飲み忘れ時の相談先、自己中断を避ける理由を薬剤師と共有して説明する

・血圧等の管理や禁煙、食生活、運動は個別の目標に合わせ、続けやすい方法を相談する

・退院後に突然の症状が出た場合は様子を見ず119番へ連絡し、発見時刻等を伝えるよう説明する

O-P・T-P・E-Pの背景と根拠

O-P:神経の変化と、食べる・動く・伝える力を比べる

脳梗塞では脳へ血液が届かなくなり、障害された場所により麻痺、感覚、言葉、視線等に変化が出ます。治療の判断には時間の情報が重要です。症状が始まった時刻、発見した時刻、最後に普段どおりだった時刻を分け、わからない時刻を推測で埋めずに報告します[1,2]。

意識、顔や手足の動き、言葉の理解、瞳孔等を、施設の方法で前回と比較します。血圧や呼吸、血糖なども合わせ、血栓を薬で溶かしたりカテーテルで回収したりして血流を戻す治療(再灌流療法)後は個別の観察・報告基準を確認します。急な悪化は測定項目をすべて埋めるまで待たず、直ちに評価へつなげます[2]。

例えば午前は二つの選択肢に頷けた人が、午後は同じ問いに反応しない場合、質問と条件を残します。聴こえにくさや疲れも確認しますが、それだけと判断しません。失語があることと意思や理解がないことを同一視せず、文字や指差し等の方法も試します。

嚥下、姿勢、移乗、排泄、皮膚、栄養・水分を分けて評価します。歩行の回復だけでは、食事中の疲れや必要な見守りはわかりません。多職種で情報を共有し、「どこで、どの程度の援助が要るか」を具体化することが、日々のケアと次の療養先の支援につながります[4]。

T-P:食べ始め・動き始めの条件を確かめて援助する

飲み込む働きが低下すると、水や食物、薬が気管へ入る危険があります。経口摂取の前に訓練を受けた担当者が嚥下を確認し、許可が出るまでは水や内服薬も自己判断で口から与えません。必要な薬や栄養・水分をどう確保するか、代わりの経路をチームへ確認します[3]。

摂取開始後も、決めた食形態・姿勢・介助速度を共有し、むせ、声、呼吸、疲れの変化を見ます。例えば車椅子へ移れた人でも、その後に疲れが強ければ食事の負担は別に調整します。食事と訓練を続けて行うなど、予定の重なりで負荷が増えていないか見直します。

離床は早ければ早いほどよいわけではなく、治療と全身状態に合わせて開始します。発症後早期の長時間の離床を一律に行わず、開始・中止基準、介助量を共有します。本人ができる小さな動作を待ち、短い活動の後に呼吸、血圧、疲労、神経症状を再確認します[3]。

麻痺した腕は、筋肉で十分支えられず肩が痛みやすくなります。腕を引いて起こしたり、指導なしに大きく頭上へ動かしたりせず、移乗時も肩と上肢を支えます。清潔や更衣の介助方法を専門職と統一し、用具の圧迫や皮膚のずれも確認します[5]。

E-P:本人が使える方法で、食事・介助・再発時の行動を共有する

説明は長い文章を一度に示すより、絵、短い質問、指差し等を組み合わせます。返答を急がせず、実際の食事や移乗の場面で確認します。例えばナースコールが押せない人には、置く位置を変えるだけでなく、別の呼び出し方が必要かを一緒に試します。

家族等には、よかれと思って飲み物や薬を与えないよう、現在の摂取許可を具体的に伝えます。介助を担う場合は、腕を引かない移乗や更衣を実演し、再現できるか確認します。本人の同意と希望を大切にし、家族が全ての介助を行える前提にはしません[3,5]。

再発予防では血圧、糖尿病、不整脈等の管理、禁煙や食生活、活動を個別に調整します。薬の目的を伝えるだけでなく、誰が準備し、読みにくい表示や飲み忘れにどう対応するかを相談します。生活の制約を意欲不足と捉えず、薬剤師や地域の支援へつなげます[6]。

退院後に突然の麻痺、言葉や見え方の変化などがあれば、改善するか様子を見ず119番へ連絡します。発見した時刻や最後に普段どおりだった時刻、使用薬を伝える方法を確認します。受診・食事・移動の計画も次の担当者へ引き継ぎ、説明が生活で使える形かを見直します[1,2]。

評価・見直し

・神経症状の経時変化と治療段階を確認し、急な悪化は目標評価を待たず報告する

・食事や移乗で必要だった介助、疲労、苦痛を記録し、方法や目標期限を調整する

・本人の意思を確認できた方法、実施できた動作と残る支援をチームで共有する

・退院時は服薬・摂取・移動・緊急連絡の支援者と相談先を確認し、次の担当者へ引き継ぐ

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・脳出血の看護計画|意識の観察と急性期のケア
脳出血の急性期の計画を、脳梗塞との対象の違いを確認しながら参照できます。

参考資料

確認日:2026年10月17日。以下の資料を踏まえた看護計画の例です。実際の援助は患者の状態、診療指示、施設の手順に合わせて調整します。

・[1]日本脳卒中協会『脳卒中の主な症状』(2018年掲載、2026年更新表示):脳卒中を疑う主な症状 参考資料を開く

・[2]Heart & Stroke『Canadian Stroke Best Practice Recommendations:4. Emergency Department Evaluation and Management』(2022年版):4章:急性期評価と発症・最終正常時刻の確認 参考資料を開く

・[3]Heart & Stroke『同:9. Inpatient Prevention and Management of Complications following Stroke』(2022年版、9.4・9.6等):9.4・9.6:経口摂取前の嚥下確認・早期離床の条件等 参考資料を開く

・[4]Heart & Stroke『同:8. Acute Stroke Unit Care』(2022年版):8章:多職種による急性期ケアと機能評価 参考資料を開く

・[5]American Stroke Association『Shoulder Pain』(2024年4月13日レビュー):麻痺側上肢の支持と不適切な介助の回避 参考資料を開く

・[6]日本脳卒中協会『脳卒中予防十か条2025』(2025年):血圧・糖尿病等の管理と生活習慣を含む予防 参考資料を開く

この記事はAIを用いて編集しています。

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