くも膜下出血の看護計画では、突然の頭痛や意識変化への対応に加え、治療前後の再出血、後から起こる神経症状の悪化、水頭症を見逃さない観察が重要です。動脈瘤の処置が終わったことだけで安心せず、呼吸・循環と日々の反応を続けて比べます。
対象は、脳動脈瘤が破れて起こる成人の動脈瘤性くも膜下出血の急性期と周術期です。脳の中に出血する脳内出血、脳梗塞、外傷性や動脈瘤以外のくも膜下出血とは区別し、画像、治療内容と個別の指示を確認して使います。
看護計画名:動脈瘤性くも膜下出血の再出血・遅発性悪化の早期発見と治療前後の安全を支える看護
以下は看護計画の例です。目標の期限や援助内容は、本人の状態・希望と治療方針に合わせて設定してください。
看護目標
短期目標
・意識と呼吸・循環の変化に応じた観察と迅速な診療を受けることができる
・状態に合う方法で頭痛・吐き気・不安を伝える支援を受け、苦痛の緩和を相談することができる
・治療前後の安静度やドレーンに合う介助を受け、安全に体位・排泄・清潔を整えることができる
・覚醒と嚥下の評価に合う栄養・水分の管理を受けることができる
長期目標
・治療後も必要な観察を受け、神経症状や全身状態の変化に応じて援助を調整してもらうことができる
・本人の残る力を生かし、許可された活動や生活動作を必要な支援とともに行うことができる
・本人または支援者が薬・検査・受診の予定を確認し、継続のための支援を利用することができる
・本人または支援者が新しい頭痛や神経症状に気づいたとき、適切な連絡先へ速やかに助けを求めることができる
看護計画
O-P:観察・評価項目
・発症時刻、頭痛の始まり方・強さ・変化、嘔吐・意識消失の経過
・開眼・会話・指示への反応、瞳孔、手足・顔の動き、言語と前回からの差
・血圧・脈拍・呼吸・SpO₂、酸素や鎮静薬・鎮痛薬の使用条件
・動脈瘤の部位、再出血予防の処置前後、残存病変と画像検査の結果
・新しい麻痺・言葉の変化、反応の遅さ、落ち着かなさなど遅発性悪化を疑う変化
・水頭症・頭蓋内圧亢進に関する画像・診療方針と意識・嘔吐・瞳孔の変化
・脳波等の評価とけいれん様の動き、発作が見えない反応低下
・飲水・食事・輸液と尿・排液、体重、腎機能・電解質の経過
・発熱、血糖、心電図や呼吸・胸部症状など全身合併症を疑う変化
・手術創や穿刺部の出血・腫れ、末梢循環と指示された動作制限
・ドレーンの指示・設定、固定・接続・排液量と性状、体位変更との関係
・覚醒・嚥下・栄養、皮膚・排泄・活動の負担、本人と家族等の理解・不安
T-P:ケア・実施項目
・急な頭痛増悪・意識低下・瞳孔変化・麻痺等は直ちに応援を呼び、時刻と前回との差を伝える
・病期と処置前後の観察頻度、血圧・呼吸・体液管理の目標と報告条件をそろえる
・再出血予防の検査・搬送・クリッピングやコイル塞栓術等の準備を指示に沿って支援する
・降圧薬・鎮痛薬等は個別の指示を確認し、血圧の急変と意識・呼吸の変化を評価する
・悪化を血管攣縮だけと決めつけず、医師の診察・画像・血液検査・脳波等の準備を支える
・体位変更は呼吸・循環・頭蓋内の状態と機器の指示を確認し、前後の反応を比較する
・ドレーンは専用の管理手順と指示を守り、体位変更・搬送時の設定確認と申し送りを行う
・水分出納・尿量と検査を共有し、脱水も過剰な補液も避ける個別の治療を支える
・嚥下と覚醒の評価に合う口腔ケア・栄養・補水を行い、評価前の無理な経口摂取を避ける
・創部・穿刺部・皮膚の清潔と圧迫予防を行い、血栓予防は出血の状態と処置に合う方法を確認する
・活動は動脈瘤の治療状況、神経症状、循環、ドレーンと開始・中止条件を確認して進める
・本人の意思疎通を補い、家族等の説明・相談の機会と休息を整える
E-P:教育・生活支援
・繰り返す神経評価と、処置後も観察を続ける理由を本人の理解に合う言葉で説明する
・頭痛・眠気・手足や言葉の変化を、我慢せず直ちに伝える方法を共有する
・自分で起き上がったりドレーンや点滴を触ったりする前に援助を呼ぶ手順を確認する
・飲水・食事はその時点の指示に合わせ、家族も自己判断で水や食品を与えない理由を説明する
・実際の処方薬と検査・再診の目的を確認し、中止や追加を自己判断で行わない相談方法を伝える
・安定後の活動・入浴・仕事の再開は生活動作ごとに許可範囲と支援を確認する
・退院後の急な激しい頭痛、麻痺・言語障害、意識の異常では119番へ連絡する方法を共有する
・疲れやすさや注意・記憶の変化も相談できることを伝え、本人が望む家族等や専門職と支援を調整する
O-P/T-P/E-Pの背景と根拠
O-P:処置前後の急変と、後から起こる悪化を見分ける手掛かりを残す
くも膜下出血は、脳の表面を覆う膜の間へ出血する病気です。動脈瘤性では血管のこぶが破れ、初めの出血に続いて再び出血すると急激に悪化する危険があります。そのため頭痛の変化だけでなく、意識、瞳孔、手足の動き、呼吸・血圧を合わせ、発症と処置の前後の状態を比較します。頭痛が弱まったことだけで危険がなくなったとは判断しません[1、2]。
動脈瘤の処置後にも、時間が経って脳への血液が不足する遅発性脳虚血が起こることがあります。血管が細くなる脳血管攣縮はその関連要因の一つですが、画像上の攣縮と本人の神経症状は同じものではありません。会話が遅い、新しく言葉が出にくい、片手を使わないなど、直前までできた反応との違いを具体的に残して評価につなげます[2]。
出血で脳脊髄液という脳や脊髄を取り囲む液の流れが妨げられると、水頭症になることがあります。反応低下や嘔吐などは、その評価が必要な変化にもなります。しかし「眠いから水頭症」「処置後数日だから攣縮」と看護師が原因を固定せず、薬の影響、発作、体温や電解質の異常なども共有し、必要な画像・検査を支えます[2]。
例えば「朝は名前と場所を答えたが、午後から返事が遅く、右腕が上がりにくい」と分かれば、時刻、血圧、呼吸、投薬の情報を添えて直ちに連絡します。全ての検査結果がそろうまで待ちません。意識が低く本人の訴えが得られない場合は、診察できる反応と評価できない条件を区別して申し送り、検査やモニターを組み合わせる医療者の判断を支えます[2、3]。
T-P:再出血予防の治療と脳への血流、生活援助を両立する
動脈瘤への治療には、開頭してこぶの根元を閉じるクリッピングや、血管の中からこぶへコイルなどを入れる血管内治療があります。どの方法か、処置が完了したかにより、血圧や活動、創部・穿刺部の管理が変わります。看護では再出血予防を支えながら、血圧を過度に下げて脳への血流を損なわないよう、現在の目標と報告条件を確認します[1、2]。
水分管理は、たくさん補液すれば脳の血流がよくなる、頭の病気なら飲水を減らす、という一律の方法ではありません。必要な循環血液量を保つ方針に沿い、摂取・輸液、尿と排液、体重、血液のナトリウムなどを経時的に共有します。症状に応じた血圧調整を行う場合も医師の評価と指示に従い、予防目的で独自に血圧や補液を増やしません[2、3]。
頭痛や吐き気には処方された薬と環境調整を組み合わせます。例えば眩しさがつらい人には光を調整し、薬の後は痛みだけでなく眠気・呼吸・血圧も比べます。刺激を減らすことを理由に必要な観察まで省いたり、説明なく眠らせ続けたりしません。体位や清潔ケアは負担を分け、頭頸部の無理な曲がりを避けて、神経症状や循環の変化を確認します[3]。
脳室ドレーンは、必要な人に脳脊髄液を外へ出すために設置されます。位置や開閉などの指示は体位や搬送に関わるため、訓練を受けた担当者が施設手順と個別指示を確認します。排液の急変、接続外れ、閉塞が疑われるときに、排液を増やす目的で高さを変えたり管を押し流したりせず、直ちに相談します。処置後の離床も機器と病状の条件をそろえて進めます[2]。
E-P:観察の必要性を伝え、安定後も使える相談方法へつなぐ
くも膜下出血の看護計画では、手術や血管内治療が終わったら全ての観察も終わる、という理解にならない説明が大切です。本人の覚醒や疲れに合わせて、処置の目的と、その後にも反応を確認する理由を分けて伝えます。家族等にも、普段と違う返事や動きに気づいたら、遠慮せずすぐ知らせてよいと説明します[2]。
急性期は「管があるので動くときは呼んでください」など、今必要な行動を短く示します。自分で呼出しボタンを押せなければ、伝える手段を調整します。本人が飲みたい、食べたいと言っても評価前の飲食を家族の判断で始めず、口腔の乾燥への援助と必要な栄養・補水を相談します。説明できないほど苦しい場合は、本人への声かけと家族等の説明支援を並行します。
病状が落ち着いたら、薬と受診・画像検査の予定、生活動作の許可範囲を本人に合う形へ整理します。疲れやすさ、注意力や記憶の問題が残る場合は、短い説明、確認表、家族等の補助を使い、理解不足や意欲の問題だけにしません。例えば仕事への復帰は歩けるかだけで判断せず、集中が続く時間や休憩、通勤の負担も医療チームと相談します[2、3]。
退院後に突然の激しい頭痛、新たな麻痺・言葉の異常、意識の変化があれば、いつもの頭痛薬で様子をみ続けず119番へ連絡します[1]。日々の軽い不調の相談先とは分けて記載し、「夜に急に強い頭痛が出たら、誰にどう連絡するか」を本人や支援者に確認します。回復の見通しは断定せず、本人が大切にしている生活と利用できる支援を繰り返し相談します。
評価・見直し
・処置前後と経時的な神経症状の変化を把握し、急変や新たな麻痺等に遅れず対応できたか
・再出血予防と脳への血流に関わる個別の血圧・呼吸・体液管理の指示が共有されているか
・薬や体位・清潔援助の前後で苦痛と神経症状・呼吸循環を比較し、必要な調整を行えたか
・ドレーン・創部・穿刺部の管理と活動の条件を確認し、排液・出血等の異常時に連絡できたか
・本人と支援者が説明を使える形になり、病状と生活機能の変化に合わせて目標を見直したか
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・脳梗塞の看護計画|急性期の観察と嚥下・離床・再発予防の支援
・せん妄の看護計画|予防・早期発見と安心して過ごすためのケア
・頭蓋内圧亢進の看護計画|意識・瞳孔の観察と安全なケア
頭蓋内圧に関する観察と、体位・吸引などのケアを詳しく確認できます。
・脳出血の看護計画|意識の観察と急性期のケア
自然発症の脳内出血の計画を、くも膜下出血との対象の違いを確認しながら参照できます。
参考資料
[1]国立循環器病研究センター「脳卒中」(掲載年不明)
くも膜下出血の病態と症状、動脈瘤に対する治療、急性脳卒中の救急対応
確認日:2026年10月17日
[2]AHA/ASA 2023 Guideline for the Management of Patients With Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage(2023年)
再出血予防、神経評価、遅発性脳虚血、水頭症とドレーン管理、個別の循環・体液管理、退院後支援
確認日:2026年10月17日
[3]American Association of Neuroscience Nurses:Nursing Care of the Patient with Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage(2025年)
神経学的評価、看護援助と頭蓋内への影響、適切な体液量、痛み・心理面・療養支援
確認日:2026年10月17日
この記事はAIを用いて編集しています。

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