腎瘻管理の看護計画は、背中の皮膚から腎臓へ入れた管で尿を外へ逃がし、腎機能を守りながら生活を支える計画です。排液の量だけでなく、管の固定、尿漏れ、感染・出血と本人の苦痛を確認します。
ここでは成人の経皮的腎瘻の留置中から在宅管理までの学習用例を示します。尿道留置カテーテルや尿管ステントとは管理が異なります。片側・両側、閉塞の原因、管の方式によって観察と手順を選び、洗浄・クランプや交換は個別指示と訓練された手順に従います。
看護計画名:腎瘻からの尿流と固定・皮膚を保ち、閉塞・感染・出血を早く捉えて療養を支える看護
以下は看護計画の例です。目標の期限や援助内容は、本人の状態・希望と治療方針に合わせて設定してください。
看護目標
短期目標
・痛み・発熱・尿漏れや排液の変化を、必要な支援を受けて知らせることができる
・管に無理な力がかからない姿勢と介助で生活動作を行うことができる
・今回の腎瘻の目的と、自分で行ってよい管理を確認できる
・不安や睡眠・衣服の困りごとを相談できる
長期目標
・本人または支援者が教わった方法で排液と皮膚・固定を確認できる
・物品・訪問看護や交換予定を利用して管理を継続できる
・尿が出ない・抜けた・出血や感染を疑う場合に直ちに連絡できる
・治療条件に合う活動や清潔を工夫し、自宅の生活を続けることができる
看護計画
O-P:観察・評価項目
・留置目的・左右・管の種類と固定方法、挿入・交換日、排液・洗浄等の個別指示
・左右別の排液量と時間・色・血塊、尿道からの排尿と入出量
・管の曲がり・圧迫・引っ張り、外に出た長さや固定・接続の普段との差
・バッグの位置・重さ・支持、排液口と接続の漏れ
・挿入部の発赤・腫れ・熱感・痛み・浸出と皮膚への尿漏れ
・脇腹・背部痛、体温・悪寒、呼吸・循環・意識と全身不調
・腎機能等の検査・尿培養、抗菌薬や抗血栓薬の使用と反応
・動作・睡眠・入浴や衣服の負担、管理の理解と手指・視力の条件
・物品と支援者、交換・受診の予定、夜間連絡先と移動手段
T-P:ケア・実施項目
・左右別の通常排液と尿道排尿を引き継ぎ、測定条件を揃えて変化を共有する
・手指衛生と方式に合う清潔・無菌操作を守り、接続を不用意に開放しない
・方式に合うバッグの位置を確認して腎臓より低く支持し、身体の下の管の圧迫・屈曲や重みによる牽引を避ける
・挿入部と被覆材を清潔・乾燥に保ち、濡れ・汚れ・剥がれ時は指示された手順で評価と交換を行う
・排液低下・停止や漏れは見える屈曲等を確認しつつ速やかに医師へ連絡する
・無断で管を押し戻す・抜く・強く洗う・閉鎖する操作を行わない
・洗浄が必要な場合も指示・方式・訓練条件を確認し、痛みや抵抗があれば中止して評価を求める
・管の抜去・逸脱は直ちに連絡し、自分で再挿入せず清潔に保護して緊急評価へつなぐ
・発熱・悪寒・強い痛みや増える出血を早急に報告し、呼吸循環・意識の悪化では応援を呼ぶ
・飲水・薬・活動の指示を確認し、本人に合う清潔・衣服・睡眠の援助を整える
・退院前に排液・被覆と物品、次の交換日・夜間連絡を本人と支援者で練習する
E-P:教育・生活支援
・腎瘻が尿を逃がす目的と、尿道排尿の有無だけで管の必要を判断しない理由を説明する
・手洗い・バッグの支持・排液と固定の確認を教わった方法で練習する
・管やロック・接続を自分で操作せず、洗浄は個別に指導された場合に限ると伝える
・排液が止まる・管がずれる/抜ける・強い痛みは直ちに医療機関へ連絡する
・発熱・悪寒・尿漏れや血尿増加を早急に相談し、多量出血・失神・反応低下は119番と共有する
・飲水・入浴・仕事と運動は本人の治療条件で確認し、全員同じ量・時期としない
・物品の注文と交換予定、支援者や訪問看護、夜間の連絡先を確認する
O-P/T-P/E-Pの背景と根拠
O-P:左右の尿流と、管・全身の変化をつなげて捉える
腎瘻は、尿管などが塞がれたときに腎臓にたまる尿を外へ出す経路です。片側だけか両側かで排液と尿道からの排尿の見方が変わります。例えば左右のバッグがある人では合計だけでなく別々に記録し、片方だけ急に減った変化も共有します。尿道から尿が出たから腎瘻は不要とは判断しません[1、2]。
排液低下には、尿が作られる量の減少、管の曲がり・閉塞や位置のずれなど複数の原因があります。例えばバッグが空になったら、体の下に管が入っていないかを確認しつつ、痛みや発熱、全身の循環をみます。見える異常がないからと放置せず、必要な検査や処置へつなぎます[1、2]。
挿入部の尿漏れは、皮膚が濡れる問題だけではありません。閉塞や位置のずれが関係することがあります。例えば被覆材が何度も濡れる場合は、上から重ねるだけでなく、排液と固定・管の長さの変化を伝えます。皮膚の赤みや痛みも確認し、正常な経路が保たれているか評価を求めます[1、2]。
少量の血液が見られることがあっても、増える血尿、血塊、強い痛みや発熱を「管があるから普通」と扱いません。例えば悪寒と反応の鈍さが重なったら感染等の緊急評価が必要です。大量出血や循環の悪化では、排液量を測り終えるより先に応援と診療を求めます[1、2]。
T-P:尿を逃がす経路を守り、異常時に無理な操作を加えない
腎瘻管理の看護計画では、尿が自然に流れる状態と管の固定を保ちます。例えば歩行時にバッグがぶら下がると、尿の重さが管を引く力になります。支持具を本人の体と衣服に合わせ、満杯になる前の排液や動作の介助を整えます。寝る際も管を押しつぶさない位置を確認します[1、2]。
挿入部と接続は清潔に扱い、被覆材の濡れや剥がれは必要な交換へつなげます。交換頻度や消毒・固定材は管と施設で異なるため、全員へ同じ手順を指定しません。例えば粘着剤で皮膚が赤くなる人は、清潔を保てる代替を相談し、我慢して貼り続けることを管理の目標にしません[1、2]。
洗浄はすべての腎瘻に毎日行う操作ではありません。必要と判断され、方式に沿った指示と訓練がある場合に限ります。例えば尿が出ないからと抵抗に逆らって注入したり、位置が不明な管へ続けたりしません。痛み・抵抗・漏れがあれば中止して評価を求め、家庭では教わっていない人に操作を任せません[2、3]。
管が抜けた場合は自分で穴へ戻さず、直ちに医療機関へ連絡します。例えば自宅で固定が外れ管の長さが変わっただけでも、位置の確認が必要です。清潔に保護して必要な診療へつなぎます。次回の交換日まで待つ援助にはせず、発熱・強い痛み・循環悪化を伴う場合は緊急度を上げます[1、2]。
E-P:自宅の動作と物品・緊急連絡を具体的に準備する
本人が背中の挿入部を見たり手を伸ばしたりできるとは限りません。例えば一人暮らしで被覆材の交換が難しいなら、鏡だけで解決しようとせず、訪問看護や通院での管理を相談します。排液は本人、被覆は支援者など、できることを分けて練習し、安全に続く方法を選びます[1、2]。
管のロックは、尿を止める栓とは違う方式があります。例えば「開ける」と書いてある部分を自分で回すと固定に影響することがあるため、不明な器具を試しに操作しないよう説明します。管の方式と、本人が扱ってよい排液口などを実物で確認し、使い方の説明を一般の尿バッグから流用しません[2]。
飲水や清潔・活動は腎機能、心臓の病気、挿入後の経過に合わせます。例えば一般の説明に多めの飲水があっても、水分制限がある人は個別の目安を確認します。入浴や仕事も管の引っ張りや濡れを避ける方法を相談し、本人が大切にしている生活を一律に禁止しないようにします[1、2]。
物品がなくなる前の注文、次の交換日、夜間も使える連絡先を一つにまとめます。例えば排液が止まったとき「何時間なら安全」と独自に待たず、急な変化や痛みを伝えます。抜去や多量出血はすぐ連絡し、失神・反応低下等では119番です。本人が原因を診断しなくても相談できる準備をします[1、2]。
評価・見直し
・左右別の排液と全身状態を追い、閉塞・感染・出血や逸脱へ早く対応したか
・固定・支持・被覆と清潔が方式と本人の生活に合っていたか
・洗浄等の操作を個別の指示と訓練条件で実施できたか
・本人と支援者が物品・交換・異常時連絡を使える形で確認できたか
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参考資料
[1]University Hospitals Plymouth NHS Trust:Managing your nephrostomy tube(2024年7月発行)
経路・左右、支持・在宅管理、排液減少/発熱/抜去の緊急評価
確認日:2026年10月19日
[2]Northern Care Alliance NHS Foundation Trust:Guidelines for Management of Nephrostomy Tubes(2025年4月レビュー・4月25日更新)
固定ロック、洗浄と方式、排液停止・逸脱時の連絡
確認日:2026年10月19日
[3]Royal Marsden:How to flush a nephrostomy tube(掲載年不明)
洗浄が必要で指導済みの人に限定した教育
確認日:2026年10月19日

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