心不全(在宅患者)に対する看護計画では、毎日の体調を普段の状態と比較し、変化を相談できる仕組みと、本人が続けられる生活の工夫を整えます。対象は自宅で暮らす成人の外来・訪問看護利用者です。急性増悪で緊急治療が必要な場面は救急対応を優先します。以下は学習用の計画例であり、病状、腎機能、栄養状態、処方と本人の希望に合わせて個別化してください。
看護計画名:在宅療養中の心不全に伴う症状の変化と生活管理の困難
看護目標
期限と指標は設定例です。本人の理解や身体機能に応じ、家族等や医療・介護職の支援を受けて達成する目標に調整します。
短期目標
・次回訪問または1週間以内に、息切れやむくみ、服薬など生活で困っていることを伝えることができる
・1週間以内に、支援を受けながら、個別に決めた体重・血圧・脈拍と症状の記録を実施できる
・説明後から次回受診までに、処方どおりの服薬方法と、飲み忘れ・体調不良時の相談先を確認できる
・次回訪問までに、早めに連絡する変化と救急要請が必要な症状を、自分の言葉や用意した連絡表で確認できる
長期目標
・1か月後の評価時に、体調と測定値の変化を記録から医療者に伝え、必要な相談を受けることができる
・1〜3か月後に、自分に設定された食事・水分・服薬の方法を、無理のない形で続けることができる
・次回の生活機能評価までに、必要な休息や動作の工夫を取り入れ、本人が大切にする日常活動を続けることができる
・療養方針の見直し時までに、本人の希望と必要な支援を共有し、困ったときに家族等や専門職へ援助を求めることができる
看護計画
O-P:観察・評価項目
・原疾患、最近の入退院や増悪、主治医から説明された病状と治療方針、併存する腎疾患や呼吸器疾患
・息切れの場面と程度、呼吸数、咳・痰、横になれるか、夜間の咳や呼吸困難、会話時の苦しさ
・体重の前日・数日前からの変化、むくみの部位・程度、腹部の張り、食欲、尿量や排尿回数の普段との差
・血圧・脈拍・体温、立ちくらみ、冷感、倦怠感、自宅で測定する指示がある場合のSpO₂と測定条件
・食事・水分の摂取状況、加工食品や汁物・調味料、食事量の低下、意図しない体重減少
・処方薬の服用状況、残薬、飲み忘れや自己調整、市販薬・サプリメント、薬剤変更後の症状
・指示された採血結果の腎機能・電解質等、検査・受診予定と通院を妨げる事情
・移動、排泄、入浴、調理時の負担、睡眠、転倒の危険、不安、理解力、視力や手指機能、支援者の負担
・在宅酸素療法を処方されている場合の装着、流量、機器・チューブ、火気、停電時の備え
T-P:ケア・実施項目
・体重は同じ体重計を用い、可能なら朝の排尿後など比較できる条件で測定し、転倒を防ぐ配置と必要な介助を整える
・手帳や紙に、測定値と息切れ・むくみ・食欲を記録し、独力で難しい項目は本人の同意を得て支援方法を決める
・普段と違う息切れ、むくみ、急な体重増加や尿の減少は、発症時期と記録を添えて当日中に主治医・訪問看護へ連絡し、事前の個別計画がある場合はそれに沿って評価につなぐ
・強い呼吸困難、会話が困難な苦しさ、意識の異常等では訪問予定を待たず119番を要請し、反応・呼吸の状態に応じて通信指令員の指示に従う
・息苦しさに合わせて上体を起こすなど楽な姿勢を支え、下肢挙上は呼吸を悪化させないか確認して個別に判断する
・処方された在宅酸素は指示された流量・時間で使用し、機器異常時の連絡先と停電時の対応を業者も含めて確認する
・服薬カレンダーや一包化等の必要性を薬剤師と相談し、利尿薬による排尿と外出・睡眠の困りごとを処方医に伝える
・水分・塩分の指示を確認し、管理栄養士と実際の献立・購入食品を検討して、摂取不足も防ぐ
・活動の可否と運動処方を確認し、座って調理する、移動を分けて休むなど、症状と本人の目標に合う方法を調整する
E-P:教育・指導・生活支援
・体重だけでなく、いつもの動作での息切れ、むくみ、食欲、睡眠の変化を組み合わせて伝える方法を説明する
・主治医と体重・症状の連絡基準を個別に決め、基準未満でも息苦しさが増す場合は次回訪問を待たず当日中に相談するよう説明する
・日中・夜間休日それぞれの連絡先、119番の目安、お薬手帳や診療情報の保管場所を本人と支援者で確認する
・処方薬の目的と本人に必要な副作用の観察を説明し、飲み忘れ・嘔吐・下痢・食事が取れない場合は相談するよう伝える
・薬の追加・中止・増減は自己判断せず、事前に医師が具体的に決めた調整計画がある場合は、その条件と連絡手順を守るよう説明する
・水分量は飲み物・食事のどこまでを数えるかも確認し、暑さや発熱時に自己判断で大幅に増減せず相談するよう伝える
・減塩は食品表示や調味料の使い方から実行できる方法を選び、食事が減る、体重が落ちるときは制限を強めず相談するよう説明する
・運動、排泄、入浴は個別の活動指示に合わせ、症状が出たら無理をせず中断して相談する方法を確認する
・酸素使用時は喫煙せず、装置周囲2m以内に火気を置かず、清掃・チューブ管理等は取扱説明書に従うよう説明する
O-P・T-P・E-Pの背景と根拠
O-P:在宅の普段の状態からの変化を捉える
心不全では、血液を送り出す力の低下や血液の滞りにより、息切れ、むくみ、尿の減少、腹部の張りなどが起こります。血液が滞る状態を「うっ血」といい、体重増加も体内に水分がたまった可能性を考える手掛かりです[1]。体重だけで判断せず、呼吸や食欲、いつもの動作との違いを確認します。例えば、普段は休まず歩けた廊下で息切れする、夜に枕を増やさないと眠れなくなった、という変化は、測定値と一緒に報告します。
「悪くなった」だけより、開始時刻と困った動作を示すと、医療者が緊急性を判断しやすくなります。測定器の有無や独居などで記録が難しいときも、観察自体を諦めず支援方法を選びます。症状や測定値を一か所に記録し、支援者が同じ情報を見られるようにすると、変化を説明するときに役立ちます[2]。
例えば訪問時に本人のメモと残薬を一緒に確認し、測定忘れなのか、具合が悪く測れなかったのかを区別する使い方が考えられます。体重が同じでも、食べる量が減って筋肉が落ち、水分がたまっている場合があります。服がきつい、食事を残すなどの情報も拾い、体重が動かないことだけで安定とは判断しません。
本人が感じる変化を否定せず、いつもの状態と比較します。
T-P:療養生活と早めの相談を支える
利尿薬は体内にたまった水分を減らすために使われますが、薬の調整には副作用の確認も必要です[1]。例えば外出前の排尿が困って飲まなくなった場合は、服薬を責めず、外出時間やトイレの状況を聴き、処方医・薬剤師と調整できる点を探します。看護師が独自に服用時刻や量を変更するものではありません。
水分制限の効果には研究上の不確実性があり、慢性心不全の外来患者の試験では、制限により健康状態が改善するとは確認されませんでした[3、4]。急性増悪時に同じ結果を当てはめることはできず、水分の指示は自己判断で変更しません。利尿後に体重が減っても、尿の出方、ふらつき、血圧、指示された腎機能・電解質の検査と見合わせます。
余分な水分が減った効果なのか、脱水や薬の影響が疑われるのかを医師が評価できる情報をそろえるためです[1、3]。例えば、むくみが軽くなっても立つとふらつく場合は、その状況を報告します。食事も減塩だけを優先して摂取量が落ちないようにします[3]。例えば惣菜に頼る人には、主食やおかずを抜く指導をせず、使える食品と調味料から管理栄養士と相談します。
例えば入浴後だけ疲れるなら、着替えを座って行う、予定を分けて休息を入れるなどの工夫を試し、翌日まで負担が残らないかも聞きます。何でも代行するのではなく、病状と許可された範囲で本人が続けたい活動を選び直します。
E-P:日々の記録と急変時の連絡を使える形にする
体調の変化に気づいても、連絡先や伝え方がわからなければ受診が遅れます。症状の観察、日々の療養、悪化時の相談は本人だけに任せず、必要に応じて家族等や複数の専門職と支えます[3]。例えば「昨日から着替えで息切れし、体重はいつもより増えた」と連絡する練習や、夜間の連絡表を電話のそばに置くことは、推奨を生活に移す看護上の工夫です。
家族の協力が得られない場合も、訪問看護や介護職等と支援を組み立てます。会話できないほどの呼吸困難、青白い・青紫色の皮膚、反応の異常は救急対応が必要な徴候です[5]。記録を完成させたり体重が連絡基準に達するまで待ったりせず、日本では119番につなぎます。在宅酸素は心不全患者全員に必要なものではなく、処方された患者の支援として扱います。
酸素は燃焼を助けるため、火気によりチューブや衣服へ引火する危険があり、安全な使用の説明を繰り返す必要があります[6]。本人が説明内容を自分の言葉で確かめられるか、機器や生活場面を用いて確認します。説明が伝わったかは、うなずきだけでなく「夜間に苦しくなったとき、この表のどこを使いますか」と一緒に確認します。
聞き返せない状況や連絡表が見つからない場合は、患者の努力を求める前に、見やすい置き場所と支援を整えます。
評価・見直し
・次回訪問・受診時に、呼吸、体重、むくみ、尿、食欲、生活動作を本人の普段の状態と比較する
・記録の回数だけでなく、変化に気づいたとき相談できたか、連絡先を使えるかを確認する
・口渇、食事量低下、体重減少、立ちくらみ、転倒や服薬の困りごとがあれば、指示と援助方法を再評価する
・退院直後、薬剤変更、感染・発熱、生活環境や支援者の変化があるときは、訪問・受診間隔もチームで見直す
・在宅生活で大切にしたいことと支援者の負担を定期的に聴き、必要なサービスや療養方針を相談する
関連記事
参考資料
確認日:2026年10月17日。以下の資料を踏まえた看護計画の例です。実際の援助は患者の状態、診療指示、施設の手順に合わせて調整します。
・[1]国立循環器病研究センター「心不全」2023年9月29日更新、症状・治療・生活上の注意(2023年9月29日):当該記事の参考書誌に示す該当部。既存査読記録の範囲で使用 参考資料を開く
・[2]日本心不全学会『心不全手帳』2022年10月第3版、教育・医療スタッフ連携・記録用ページ(2022年10月):当該記事の参考書誌に示す該当部。既存査読記録の範囲で使用 参考資料を開く
・[3]日本循環器学会・日本心不全学会『2025年改訂版 心不全診療ガイドライン』2025年、第11章1・2・4、CQ3(2025年・2025年):当該記事の参考書誌に示す該当部。既存査読記録の範囲で使用 参考資料を開く
・[4]Herrmann JJほか『Liberal fluid intake versus fluid restriction in chronic heart failure: a randomized clinical trial』Nature Medicine、2025年、慢性心不全外来患者のFRESH-UP試験(2025年):当該記事の参考書誌に示す該当部。既存査読記録の範囲で使用 参考資料を開く
・[5]NHS「Heart failure」2026年更新、When and where to get medical help(2026年):当該記事の参考書誌に示す該当部。既存査読記録の範囲で使用 参考資料を開く
・[6]厚生労働省『医薬品・医療機器等安全性情報 No.404』2023年9月、在宅酸素療法における火気の取扱い(2023年9月):当該記事の参考書誌に示す該当部。既存査読記録の範囲で使用 参考資料を開く
\コメントで教えてください/
掲載してほしい疾患や、知りたい看護計画があれば気軽にコメントでリクエストしてください📩
できる限り対応していきます!
この記事はAIを用いて編集しています。

コメント