消化管ストーマの看護計画では、腹壁につくられた便の出口と、そこからの排出・周囲皮膚を観察し、本人に合う装具と生活方法を整えます。結腸ストーマと回腸ストーマで便の状態や水分の失われ方が異なるため、同じ計画を一律に用いません。
成人の結腸・回腸ストーマの造設後から退院生活を対象にした学習用例です。一時的・永久、術後の時期や残った腸、装具の種類を確認します。尿路ストーマは対象外とし、自立して交換することだけを目標にせず必要な支援を含めます。
看護計画名:ストーマの排泄と皮膚・水分状態を保ち、本人が望む生活と管理への参加を支える
以下は看護計画の例です。目標の期限や援助内容は、本人の状態・希望と治療方針に合わせて設定してください。
看護目標
短期目標
・ストーマや排出の変化、漏れ・痛み・かゆみなどを可能な方法で伝えることができる
・本人の種類・状態に合う装具と援助を受け、排泄物から周囲皮膚を守ることができる
・排出と尿の状態に応じた個別の水分・栄養管理を受けることができる
・見る・物品を準備する・排出するなど本人が希望する工程へ、支援を受けて参加できる
長期目標
・本人の能力と希望に合う排泄管理を、必要な人の支援を受けながら続けることができる
・皮膚の変化や装具の適合を確認し、漏れや皮膚障害が続くときに相談できる
・排出・尿・体調から普段と違う変化に気づき、決められた補水方法と相談先を利用できる
・外出・仕事・人との関わりなど大切にしたい生活へ、支援を受けて参加できる
看護計画
O-P:観察・評価項目
・結腸・回腸の別、一時的・永久、術式・造設時期、残存腸と今後の治療方針
・ストーマの色・湿り・腫れ・形・高さと変化、粘膜皮膚接合部と出血
・排出の量・性状・色・回数・ガス、普段との差と急な増加・減少
・腹痛・張り・吐き気・嘔吐、発熱・意識・循環と全身状態
・尿量・色、口渇・口腔乾燥・めまい・疲労、入出量・体重と必要な腎機能・電解質
・周囲皮膚の発赤・びらん・湿り・痛み・かゆみと、漏れる位置・交換前の面板裏の状態
・装具の種類・開口部と形状の適合、腹壁のしわ・くぼみ、姿勢での変化、装着期間と排出のしやすさ
・食事・飲水・経口補水の個別指示と実施状況、排出との関係、薬剤の服用状況
・視力・手指機能・認知・姿勢・疲労、本人が見たり操作したりできる工程
・本人の受け止め、不安・嫌悪感・羞恥心、希望する支援とプライバシー
・支援者・住環境・物品の保管と入手、経済面、仕事・外出・睡眠と通院手段
T-P:ケア・実施項目
・ストーマの暗い色への変化、強い腹痛・嘔吐、多い/続く出血や全身悪化は直ちに応援と報告を行い緊急評価へつなぐ
・ストーマと周囲皮膚・排出を、同じ条件の記録や必要時の写真等で経時比較する
・専門看護師等とストーマ・腹壁を評価し、装具の形・開口部・補助用品を本人に合わせて選ぶ
・装具は皮膚を支えながら優しく外し、排泄物を除いて清潔にし、乾いた状態で装着する
・漏れや皮膚の刺激がある場合は、上からテープを追加するだけで終えず原因と交換の必要性を確認する
・排出をため過ぎず安全に処理できる方法を支え、交換時期は装具・皮膚・排出の状態に合わせる
・高排液や脱水を疑う場合は、摂取・排出・尿と全身状態を報告し、補液・電解質と飲水内容の評価へつなぐ
・補水液の種類・量や通常飲料の扱いは医師・管理栄養士の個別指示で調整し、無断の一律制限を行わない
・薬剤がそのまま袋に見える、服用しにくい等は薬剤師へ相談し、自己中断・粉砕を避ける
・本人が希望する工程を短く分け、疲労と理解に合わせて繰り返し練習し必要な支援者を調整する
・本人の同意と希望に沿って受け止めを聞き、装具を見せることや家族への共有を強制しない
・退院後の予備装具・外出用品・災害時の備え、外来と時間外相談を本人・支援者と確認する
E-P:教育・生活支援
・実際のストーマの種類と排泄経路、手術後に形や大きさが変わり得ることを説明する
・本人に選んだ装具で、排出・交換・皮膚の確認と物品の片付けを実演で確かめる
・漏れ・痛み・かゆみを我慢せず、続くときは装具と皮膚を評価してもらうよう伝える
・排出が急に水様で多くなる、尿が少ない・濃い、めまい等はその日のうちにストーマ外来等へ相談し、反応低下・失神等では119番へ連絡するよう伝える
・回腸ストーマで高排液があるときの飲水は個別対応であり、水を大量に飲む・自己流に制限することを避けるよう伝える
・腹痛や嘔吐を伴い排出が止まる、色が大きく変わる、多い/続く出血がある場合は直ちに医療機関へ連絡して評価を求めるよう伝える
・食事は再開段階と個別の指示に沿ってよくかみ、食品を一律に長期間禁止せず症状を相談するよう伝える
・外出先のトイレ・予備用品・衣類と、仕事・運動等の相談方法を共有する
・装具の入手と費用助成は国内の制度と本人の条件を確認し、ストーマ外来や相談窓口を案内する
O-P/T-P/E-Pの背景と根拠
O-P:ストーマの種類と排出・尿・皮膚を合わせてみる
結腸ストーマは大腸、回腸ストーマは小腸から便を出す経路です。回腸ストーマでは水分が十分に吸収される前の内容が出やすく、結腸ストーマより便が液状になりやすい傾向があります。ただし性状は残った腸や手術後の時期にも左右されます。例えば、同じ水様便でも、普段どおりなのか急に増えたのかを確認することが大切です。[1]
ストーマは通常赤く湿っており、触れた際に少量出血することがあります。一方、暗い色への変化や多量・持続する出血は通常の接触出血と同じに扱いません。術後の腫れが落ち着くと形も変わるため、最初の測定だけで装具が合うと判断せず、見た目と排出、全身状態を継続して評価します。[1,2]
回腸ストーマなどから水様の排出が多いと、水分だけでなく塩分も失われ、腎機能や電解質へ影響する場合があります。袋に出た量だけでなく、尿量・色、口渇、めまい・疲労と合わせて確認します。例えば、飲水していても尿が減り立つとふらつく場合は、「飲めているから脱水ではない」と考えず報告します。[3]
排出が減ることも改善とは限りません。腹部の張り・痛み・吐き気や嘔吐を伴って止まった場合には閉塞等の評価が必要です。例えば、高排液だった方に薬剤調整が行われた後も、減った量だけを見て成功とせず腹部の反応を確認します。本人が普段と違うと感じた点と直前の食事・薬剤も共有します。[2]
周囲皮膚は便を受け続けるための粘膜ではありません。漏れた排泄物や、何度も装具を剝がす刺激などで傷つくと、装具が付きにくくなり、さらに漏れやすくなる場合があります。例えば、いつも同じ下側だけが赤いなら、交換回数だけでなく腹壁のしわや座った姿勢での隙間を確認します。痛みを「ストーマなら仕方ない」と説明しないようにします。[2,4,6]
T-P:適合する装具と個別の水分管理で生活を支える
装具は、ストーマの形だけでなく腹壁・排泄物・本人の操作性を含めて選びます。例えば、立位では密着していても座るとしわができる場合は、普段の姿勢で漏れの位置を確認します。開口部を大きくすれば楽とは限らず、皮膚へ便が触れる範囲が広がることもあります。必要な補助用品や面板は専門看護師等と評価し、自己流の重ね貼りだけで対処し続けないようにします。[2,4,6]
交換は清潔と乾燥を整え、皮膚を傷つけないように行います。例えば、剝がすことが痛くて本人が交換を避ける場合は、皮膚の状態と除去方法を見直します。全員を同じ間隔で交換させるのではなく、装具・排出・漏れ・皮膚の反応をもとに相談します。交換手技を覚えたことより、必要なときに皮膚を守れる管理になっているかを評価します。[4,6]
高排液の場合は、単に水をたくさん飲めば補えるとは限りません。腸の状態によっては低塩分の飲料が排出を増やすことがあり、塩分と糖分を組み合わせた経口補水液や補液等の評価が必要です。ただし高排液への対応を、すべてのストーマをもつ方の飲水制限へ拡張してはいけません。通常飲料と補水液の種類・量は心腎機能や検査も含め個別に決めます。[3]
例えば、本人に経口補水液が指示されても、味が苦手でほとんど飲めない場合は、指示量の説明を繰り返すだけでは解決しません。飲めない理由・排出・尿・症状を共有し、摂り方や別の補水を相談します。スポーツ飲料を同等とみなしたり、補水液の濃度を自己判断で変えたりせず、薬剤師・栄養士と確認します。排出を減らす薬も処方に沿って用います。[3]
消化管ストーマの看護計画では、装具の交換を一人で完遂することだけを自立としません。例えば、手指が使いにくい方でも、漏れの違和感を伝える、物品を準備する、支援者へ依頼するという参加ができます。見たくない気持ちや疲労も尊重し、本人が望む工程から支えます。必要な家族・訪問看護等の支援を退院前に整えます。[4]
E-P:変化への対処と本人が大切にする日常を具体化する
教える内容は、その人の装具と生活に合わせます。例えば、病棟ではベッド上で交換できても、自宅の洗面所では見えにくい場合があります。鏡や照明、座れる場所、物品の置き場を一緒に確認し、支援者がいるときといないときにできることを分けます。本人が方法を選び、必要な支援を受けられることを目標にします。[4,6]
脱水の説明では、排出量の数字だけを覚えてもらうより「普段より水っぽく多い」「尿が少ない」「立つとふらつく」等を合わせて伝えてよいと共有します。高排液や脱水を疑うときはその日のうちに相談し、反応低下や失神等の重い変化では119番へつなぎます。相談先と個別の飲水・補水の指示を紙などに残します。暑い日や体調不良時も、自己判断で大量に水を飲む・すべての水分を控えるのではなく、定めた対応と相談を利用できるようにします。[3]
外出や人との関わりには、漏れや臭いへの不安、装具を見られる心配が影響することがあります。例えば、短い外出から試し、予備装具と処理袋を持ち、利用できるトイレを確認します。問題がないと励ますだけでなく、実際に困った場面を聞いて調整します。性生活や身体の受け止めも、本人が話したい時に相談できることを伝えます。[4]
退院後の支援には、装具を切らさず入手できることと、皮膚や排出が変わったときに再評価を受けられることが必要です。例えば、装具を受け取る場所・費用・保管が難しい場合は、相談支援やソーシャルワーカーへつなぎます。国内制度は一時的・永久などの条件によって扱いが異なるため、対象と手続きを個別に確認します。支援者が変わるときは本人の希望する管理方法を引き継ぎます。[5]
評価・見直し
・色・形・排出と全身状態を時系列で比べ、異常時に必要な評価へつながったか確認する
・漏れる位置・皮膚症状・面板の適合と本人の負担から装具と交換方法を見直す
・排出・尿・体重・検査と飲水状況を合わせ、本人に合う補水が行えたか確認する
・本人が希望する工程に参加でき、難しい部分の援助を受けられるか実演で確認する
・本人または支援者が閉塞・脱水・出血等の相談条件と連絡先を説明できるか確認する
・物品調達・外出・仕事・通院の支援が続けられるか確認し、退院先に合わせて変更する
関連記事
・皮膚統合性障害のリスクに対する看護計画|皮膚の観察と予防ケア
参考資料
[1]Gateshead Health:Your Stoma and What to Expect After Surgery(2025年7月31日更新)
結腸・回腸ストーマの違い、色と術後の変化
確認日:2026年10月18日
[2]NHS:Complications of an ileostomy(2023年3月13日レビュー)
回腸ストーマの脱水・閉塞・皮膚と形状の問題
確認日:2026年10月18日
[3]Cambridge University Hospitals:Diet and fluid advice for a high volume stoma or fistula(2026年3月6日承認、第6版)
高排液時の水分・塩分喪失と個別の補水
確認日:2026年10月18日
[4]NHS:Recovering and lifestyle changes after an ileostomy(2023年3月13日レビュー)
装具種類と交換、食事・薬剤・身体像と生活
確認日:2026年10月18日
[5]国立がん研究センター がん情報サービス:大腸がん 療養(2025年3月24日更新・確認)
国内のストーマ生活・外出・福祉相談
確認日:2026年10月18日
[6]Royal Devon University Healthcare:Guidelines for Changing your Stoma Appliance(2022年6月版)
装具の優しい除去、周囲の清潔と乾燥、測定・物品と相談。機器別の交換間隔や全例同じ補助剤を定める資料ではない
確認日:2026年10月18日
この記事はAIを用いて編集しています。

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