看護計画名:感染予防・感染コントロールの実践的管理
感染予防・感染コントロールは医療現場での重要な課題であり、患者の安全確保と院内感染リスクの軽減に直結します。看護師は適切な手洗いや防護具の使用、環境整備を徹底し、感染拡大を防止するための多角的なケアを提供します。本記事では感染予防の基本と具体的な看護計画を詳しく解説します。
短期目標
・感染の原因やリスクを理解し、予防行動を実践できる
・体温や局所症状の変化に気づき、報告することができる
・清潔保持や手指衛生を日常的に行うことができる
・家族・介護者とともに感染予防策を継続できる
長期目標
・感染を予防しながら安全な療養生活を続けることができる
・再発や重症化のリスクを減らし、体調を安定して保つことができる
・感染症に対する正しい知識を持ち、自立して管理できる
・家族や支援者と連携して感染対策を日常生活に取り入れることができる
O-P
・体温、脈拍、呼吸数、血圧などのバイタルサイン
・発赤、腫脹、熱感、疼痛、排膿などの局所症状
・全身倦怠感、食欲不振、悪寒、発汗の有無
・呼吸音、咳嗽、痰の性状や量
・排尿・排便の異常(混濁、頻尿、下痢、便秘)
・創部・デバイス部(カテーテル、気管切開部など)の状態
・手洗い、清潔保持、衛生習慣の有無
・家族や介護者の感染予防意識と実施状況
T-P
・感染兆候の早期発見と記録(症状出現時は医師に報告)
・清潔操作や標準予防策の徹底
・創部やデバイス部の観察と処置の実施
・使用物品の管理と交換(リネン、吸引チューブ、マスクなど)
・適切な手洗いやアルコール消毒の支援
・抗菌薬・解熱薬などの正確な投与管理
・感染経路(飛沫・接触など)に応じた予防策の適用
E-P
・感染症の種類と感染経路についてわかりやすく説明
・手洗い、うがい、マスク着用などの基本予防策の指導
・症状の早期発見ポイントと報告の必要性を説明
・清潔保持と身の回りの環境整備について助言
・家族への感染予防策の徹底(来訪・介助・物品共有の配慮)
・抗菌薬の適正使用や自己判断での中止を避ける重要性の説明
・感染症状出現時の対応手順(受診、連絡体制など)を明示
O-P(観察・評価項目)の背景と根拠
発熱、創部の発赤・腫脹、排膿、白血球数の変動などは感染の早期兆候である。
清潔不良や免疫低下状態にある患者は感染リスクが高く、日常的な観察により局所および全身の異常を素早く察知することが求められる。
また、留置カテーテルやドレーンなど異物の有無も評価し、感染源の特定や予防に役立てる。
T-P(ケア・処置などの実施項目)の背景と根拠
手指衛生、清拭、口腔ケア、リネン交換など、基本的な清潔ケアの徹底が感染予防の第一歩である。
皮膚の保湿や創部の観察・処置は、バリア機能の保持と二次感染の予防に寄与する。
必要に応じて無菌操作や個人防護具の着用を徹底し、感染拡大のリスクを最小限に抑える。
E-P(教育・指導・生活支援)の背景と根拠
患者および家族に対して、手洗い・うがいの重要性や、傷の手当て・消毒方法、周囲環境の清潔保持の方法を指導することで、感染予防行動の定着を図る。
また、免疫力低下時期の対人接触や外出時の注意点を共有し、自己防衛力を高める支援が求められる。
在宅では、清潔ケアの継続が難しくなることもあるため、具体的な方法を分かりやすく示すことが必要である。
関連外部リンク
・日本感染症学会「感染対策ガイドライン」
https://www.kansensho.or.jp/guideline/
・厚生労働省「感染症予防の基本」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000142154.html
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