看護計画名：虫垂炎に伴う感染リスクの管理
虫垂炎は急性腹症の中でも特に頻度が高い疾患に対して、安全かつ効率的な看護を提供するために立案されます。術前の観察から術後の疼痛管理、感染予防、生活指導に至るまで、患者の状態を多角的に評価しケアすることが求められます。本記事ではO-P／T-P／E-P形式で虫垂炎の看護計画を詳述し、臨床現場で役立つポイントをわかりやすくまとめました。
短期目標
・腹部の痛みをコントロールできる
・不安を言葉で表現できる
・発熱や倦怠感の変化に気づける
・医療者に必要な援助を依頼できる
長期目標
・痛みのない状態で日常生活を再開できる
・手術後の合併症を予防できる
・食事や排便が自立して行える
・治療とセルフケアの重要性を理解できる
O-P
・バイタルサイン（特に発熱・頻脈）
・腹部所見（圧痛、筋性防御、反跳痛など）
・嘔気・嘔吐、食欲不振の有無
・排便状況（便秘、下痢、排ガスの有無）
・疼痛部位と性状（マックバーニー点など）
・顔色、冷汗、発汗などの自律神経反応
・不安や表情・訴えの変化
・採血データ（WBC、CRP）や画像検査結果
T-P
・腹部の安静保持（半坐位や膝屈曲位）
・医師の指示に従った抗菌薬・解熱鎮痛薬の投与
・禁食・輸液管理による消化管安静の維持
・嘔吐や悪心への対応（体位調整・冷罨法）
・排泄援助（便秘・腹満時の観察と対応）
・疼痛時のポジショニングやリラクゼーション支援
・術前の準備（剃毛・手術部位の確認・指示説明）
・術後の創部管理・ドレーン管理・感染予防行動
E-P
・虫垂炎の原因と治療の概要について説明
・術後の創部観察や異常時対応の指導
・入浴、食事再開の時期と注意点の説明
・活動再開の目安と無理のない生活の助言
・薬剤（抗菌薬・鎮痛薬）の服薬管理と副作用説明
・受診のタイミング（発熱・腹痛の再発時など）
・家族への支援と一時的な日常生活のフォロー案
O-Pの背景と根拠
虫垂炎は虫垂閉塞に起因する急性炎症で、腹膜炎や穿孔を引き起こすリスクがある。圧痛や反跳痛、筋性防御の有無は重症度を判断する指標であり、バイタルサインや炎症マーカーの変化も逐次観察が必要である。患者の疼痛や嘔吐の訴え、食欲低下も病態把握に重要である。術後は創部の状態観察が不可欠であり、発赤や浸出液の有無に注意を払う。
T-Pの背景と根拠
治療は腸管の安静を保ち疼痛管理を行うことが基本である。絶食と点滴管理により消化管の負担を軽減し、抗菌薬による感染制御を行う。術後の呼吸訓練や早期離床は肺合併症防止に有効であり、創部の清潔保持は感染予防の要である。排泄状況の把握と支援も術後合併症の予防につながる。
E-Pの背景と根拠
患者と家族が疾患の性質と治療経過を理解することは、適切な自己管理に直結する。創部のセルフケア方法、疼痛や発熱の自己観察、食事・運動の段階的再開指導は、退院後のQOL維持に不可欠である。家族支援も患者回復に寄与し、異常時の早期対応を促す。
本看護計画に関するさらに詳しい情報や臨床での実践例については、看護roo!（看護ルー）やMSDマニュアル 家庭版などの専門サイトも併せてご参照ください。疾患別の看護や症状の評価、エビデンスに基づく対応など、信頼性の高い情報が掲載されています。
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