看護計画名：治療・疾患に伴う不安の緩和支援
「不安の看護計画」は、患者の心の状態を正確に理解し、適切な支援を行うために欠かせません。不安は疾患や治療による身体的・精神的なストレスによって生じやすく、放置すればQOLの低下や治療意欲の喪失につながる可能性があります。この記事では、不安に対する包括的な看護目標と、実践的な観察・ケア・指導内容を紹介します。
短期目標
・自分の不安を言葉で表現できる
・不安の要因を理解し、スタッフに相談できる
・リラックスできる時間をもてる
・必要時に看護師の支援を求められる
長期目標
・不安を自分なりの方法で軽減できる
・治療や検査への理解が深まり安心して臨める
・日常生活で不安を抱えず過ごせる
・安心感をもって療養生活を継続できる
O-P
・表情、言動、声のトーン、落ち着きの有無
・不安の訴え内容（時間帯・きっかけ・持続時間）
・睡眠状態や食欲、便通、バイタル変動との関連
・既往歴（精神疾患、不安障害、服薬歴など）
・身体症状としての過換気、頻脈、発汗の有無
T-P
・不安に対して傾聴と共感をもって対応する
・患者の話すタイミングを尊重し安心できる空間を提供する
・照明・騒音・訪室回数など環境調整を行う
・手を握る・背部をさするなど非言語的な支持を適切に用いる
・医師や多職種と連携し、必要に応じて薬物療法（抗不安薬等）の使用を調整
E-P
・不安を感じたときの対処法（呼吸法・音楽・認知の切り替え等）を説明
・支援者への相談や外来精神看護の利用について説明
・治療や検査の内容、流れを図示しながら丁寧に伝える
・療養計画について患者が理解・納得できるよう繰り返し説明する
O-P（観察・評価）の背景と根拠
不安は身体的反応を伴うことが多く、言語表出されないケースも多いため、非言語的所見やバイタル変動の観察が重要です。不安障害やうつ病などの精神疾患の既往がある場合は特に再燃に注意が必要です。
T-P（ケア・処置）の背景と根拠
傾聴と共感は不安軽減の基本的アプローチであり、患者の安心感を高めます。環境要因（騒音・光）やプライバシーの配慮も精神的安定に影響するため、調整が求められます。薬物療法が必要な場面では、作用と副作用を見極めた上で医師と連携する判断が看護師にも求められます。
E-P（教育・指導・生活支援）の背景と根拠
セルフコントロールを促す呼吸法や気分転換法の指導は、自立した対処行動を強化し再発予防にもつながります。また、治療方針や検査に関する不明点を減らすことで予測可能性が高まり、不安の軽減につながります。
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