慢性副鼻腔炎(蓄膿症)の看護計画|症状管理と再発予防に向けたケア指導

慢性副鼻腔炎は、副鼻腔の慢性的な炎症により鼻づまりや膿性の鼻汁、頭痛などの症状を引き起こします。再発しやすい疾患であるため、適切な症状管理と生活指導が重要です。本記事では、慢性副鼻腔炎に対する看護計画を詳しく解説し、患者の生活の質向上と再発予防に役立つケア方法を紹介します。

目標
短期目標
・鼻閉や後鼻漏などの症状を自覚的に説明できる
・鼻腔の清潔を保ち、感染予防行動を実践できる
・処方された薬剤(内服・点鼻薬)を正しく使用できる
・症状による集中力や睡眠への影響を言語化できる

長期目標
・慢性副鼻腔炎の症状を自己管理し、再発時の対応ができる
・環境や生活習慣に配慮し、悪化因子を調整できる
・手術後も継続的な鼻腔ケアを実践できる
・QOLを維持しながら症状と共存できる

看護計画概要
O-P
・鼻閉、鼻汁、後鼻漏、嗅覚低下などの主観的症状の有無と程度
・鼻汁の性状(色調、量、粘度、臭気)と左右差
・頭重感、顔面痛、咳嗽、倦怠感、集中力低下などの随伴症状の有無
・点鼻薬や内服薬の使用状況と理解度
・アレルギー歴、喫煙、花粉・粉塵など環境因子の影響の有無
・術後の場合は出血・疼痛・発熱・ドレーン有無の観察

T-P
・鼻腔内の分泌物や痂皮を除去するための鼻洗浄(生理食塩水または専用キット)の介助または支援
・点鼻薬(ステロイド含む)の正しい使用方法(頭部の角度、スプレー方向)を実践指導
・咳や後鼻漏による睡眠障害には頭部挙上や加湿などの環境調整を実施
・術後の場合は指示に基づきガーゼ交換・止血・ドレナージ部位の管理を行う
・発熱・顔面腫脹・悪臭など感染兆候に注意し、必要時速やかに医師へ報告

E-P
・副鼻腔炎の病態(副鼻腔の炎症による分泌物貯留と通気障害)と慢性化の機序をわかりやすく説明
・鼻洗浄や点鼻薬の継続が再発予防や症状軽減に重要であることを説明し、毎日のルーチン化を促す
・アレルゲンや刺激物(タバコ、粉塵、香料など)を避ける工夫を指導
・睡眠障害や集中力低下による生活の質の低下について共有し、必要に応じて環境調整や休息の確保を助言
・手術歴がある場合は、再癒着予防・感染予防のための長期的管理が必要であることを説明

根拠
O-P(観察・評価)の背景と根拠
・慢性副鼻腔炎では鼻腔の通気・排出障害による症状(鼻閉・後鼻漏・頭重感)が持続するため、患者の自覚症状と客観的所見の両方を把握する必要がある
・鼻汁の性状や嗅覚障害の有無は副鼻腔の炎症の程度を反映するため、継続的な観察が有効である
・術後は特に感染・出血・癒着などの合併症の早期発見が重要である

T-P(ケア・処置)の背景と根拠
・鼻洗浄は粘稠な膿性分泌物を除去し、通気性を保つための基本的なセルフケアである
・点鼻薬は副鼻腔粘膜の炎症を抑え、鼻閉や後鼻漏を改善するが、使用方法を誤ると効果が減弱するため、適切な指導が必要である
・睡眠障害に対する環境調整は、症状によるQOL低下を軽減する効果がある
・術後管理においては感染や再癒着の予防が重要であり、ガーゼ交換や観察が再発防止につながる

E-P(教育・指導)の背景と根拠
・慢性副鼻腔炎は長期化・再発が多く、継続的な管理が不可欠なため、患者の理解と自発的ケア行動の確立が重要である
・症状が軽快しても点鼻薬や鼻洗浄を継続することにより、再発や手術再施行を防ぐことができる
・生活環境の調整やストレス軽減が悪化予防に有効であり、生活全体を見通した支援が求められる

関連外部リンク
日本耳鼻咽喉科学会「慢性副鼻腔炎」
https://www.jibika.or.jp/modules/publication/index.php?content_id=13

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