看護計画名:脊柱管狭窄症による疼痛および歩行障害のリスク
脊柱管狭窄症の看護計画では、間欠性跛行による歩行制限や下肢のしびれ・疼痛への対応を中心に、活動範囲の維持と安全な生活動作の確保が求められます。疼痛緩和だけでなく、服薬管理、姿勢指導、環境整備を通じて、再発予防とQOL向上を目指す支援が重要です。
短期目標
・疼痛の程度や変化を的確に伝えられる
・歩行距離の限界を把握し、無理のない範囲で移動できる
・服薬の目的と効果を理解し、継続できる
・症状悪化時の安静や体位保持が実践できる
長期目標
・痛みに配慮しながら日常生活を安定して送れる
・歩行可能距離を自分で調整しながら移動できる
・再発予防のための姿勢や動作に注意できる
・QOLを維持し、社会参加や家庭生活を継続できる
O-P
・疼痛の部位、程度(NRSなど)、誘発動作との関係
・間欠性跛行の有無と歩行可能距離
・下肢のしびれ、冷感、筋力低下の有無
・起立・座位・歩行時の姿勢や動作のパターン
・睡眠やADLへの影響(起き上がり、トイレ、入浴など)
・服薬状況と副作用(眠気、胃部不快感、便秘など)
・生活環境上の障害要因(段差、階段、トイレ距離など)
・患者の不安感や行動制限に対する心理的影響
T-P
・疼痛の変化に応じた体位調整(前屈位、側臥位)
・必要時のアイスパックや温罨法の活用
・服薬支援(鎮痛薬、筋弛緩薬、内服タイミング確認)
・歩行距離の把握と休息をはさむ移動計画の立案
・転倒予防のための見守りや手すり使用の促進
・ADL時の姿勢誘導(前かがみ動作の推奨、負荷軽減)
・排泄・入浴・更衣など疼痛を考慮した動作介助
・疼痛が強い日の活動量調整や休息時間の確保
E-P
・脊柱管狭窄症の病態と疼痛のメカニズム説明
・症状が悪化する動作・姿勢の回避指導(後屈姿勢など)
・自宅環境の見直し(手すり設置、椅子や寝具の高さ調整)
・服薬の目的と副作用時の対応方法の説明
・こまめな休息と歩行距離のセルフコントロール指導
・医師からのリハビリ指示内容の継続的実践支援
・疼痛日誌や活動記録の活用方法の説明
・家族へのサポート依頼と移動・転倒時の対応共有
O-P(観察・評価)の背景と根拠
脊柱管狭窄症は、加齢などにより脊柱管が狭くなることで神経が圧迫され、間欠性跛行や下肢の痛み・しびれを引き起こす疾患です。疼痛の強さは活動状況や姿勢によって大きく変動するため、具体的な動作との関連を日常の中で観察することが重要です。さらに、歩行距離や下肢筋力の変化はADL・QOL低下の予測因子となり、継続的評価が必要です。
薬物療法が中心となる場合、副作用(消化器症状・眠気・ふらつき)にも注意し、服薬による症状軽減と日常生活への影響を総合的に判断することが求められます。
T-P(ケア・処置)の背景と根拠
疼痛により動作が制限されると、活動量が低下し筋力・持久力がさらに低下するという悪循環が生じます。これを防ぐためには、疼痛緩和に配慮しながらも、可能な範囲での安全な活動を継続することが重要です。疼痛が軽減する姿勢(やや前屈位など)への体位調整や、冷罨法・温罨法を適切に使い分けるケアが症状緩和に有効です。
また、移動制限がある場合には転倒のリスクが高まるため、環境整備・見守り・動作介助など具体的な安全対策が必須です。ADLに直結する動作(入浴、排泄、外出)における無理のない動作誘導も回復と安心感を促します。
E-P(教育・指導・生活支援)の背景と根拠
患者本人が疼痛の性質と再発リスクを理解し、セルフマネジメントできることが長期的なQOLの維持に直結します。痛みを悪化させる姿勢・動作(長時間の立位、後屈姿勢など)を避けるため、日常生活に即した具体的な行動指導が必要です。
また、活動記録や疼痛日誌の活用は、症状悪化の前兆を把握しやすくする手段となり、医師やリハビリ職との連携にも役立ちます。高齢患者では、家庭内の段差・浴室・寝具などが発症・再発要因となるため、環境整備を含めた包括的な生活支援が看護の役割として重要です。
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