褥瘡の看護計画|予防ケアと創傷管理による再発防止と治癒促進の支援

看護計画名:看護計画名:褥瘡による皮膚損傷と感染悪化のリスク

褥瘡の看護計画では、発生リスクの早期評価と体位変換、スキンケア、栄養管理を中心とした多面的な介入が求められます。創傷の局所処置だけでなく、全身状態や生活環境の調整を通じて、治癒促進と再発予防を目指す包括的なケアが重要です。

目標
短期目標
・除圧の重要性を理解し、体位変換に協力できる
・皮膚の異常に気づいて看護師に報告できる
・処置中の痛みや不快感を適切に伝えられる
・食事摂取量を維持し、栄養状態を改善できる

長期目標
・褥瘡が悪化せず、段階的に治癒できる
・日常生活動作の中でスキンケアを継続できる
・再発リスクを自覚し、生活習慣を整えられる
・自信を持って自分の皮膚状態を管理できる

看護計画概要
O-P
・褥瘡の部位・範囲・深さ・滲出液・壊死の有無(DESIGN-R分類)
・局所の発赤・硬結・疼痛・悪臭の有無
・体温、白血球数、CRPなど全身感染の兆候
・体圧分散状況と除圧の実施状況
・寝具・シーツ・衣服の湿潤や摩擦の有無
・水分摂取・食事量・血清アルブミン・体重など栄養状態
・褥瘡処置中の痛みや不快感の訴え
・体位変換や清拭への協力度

T-P
・2時間ごとの体位変換と除圧の実施
・エアマットや体圧分散寝具の選定と適切な使用
・創部の洗浄・デブリードマン・適切な被覆材の選択
・創傷処置の際の疼痛緩和(前処置・声かけ・冷却など)
・スキンケアの徹底(保湿・清拭・陰部洗浄など)
・必要に応じて感染対策(分離・抗菌薬使用)
・栄養管理チームとの連携(NST介入)
・排泄ケアの適正化とオムツ・パッドの適正選択

E-P
・除圧・体位変換の意義と方法を患者・家族に説明
・スキンケアのポイント(皮膚乾燥・摩擦・圧迫の防止)を指導
・褥瘡発生部位や原因の理解と早期報告の重要性を教育
・創部処置の目的と経過、処置後の変化に対する説明
・栄養摂取の重要性と具体的な改善方法の提案
・使用する寝具・福祉用具についての相談・提案
・在宅での褥瘡予防方法と訪問看護の活用提案
・心理的サポートと社会資源(介護保険制度等)の案内

根拠
O-P(観察・評価)の背景と根拠
褥瘡は局所的な持続圧迫やずれによる虚血性皮膚障害であり、重症化すれば感染症や敗血症を招くリスクもあります。そのため、DESIGN-R分類に基づく詳細な創傷評価が必須であり、局所状態だけでなく全身状態(栄養、免疫、感染)との関連性を観察することが重要です。
また、体圧分散が不十分であれば再発・悪化につながるため、マットレスやポジショニングの評価が不可欠です。加えて、褥瘡に伴う疼痛や処置への不安など、精神的側面の観察も患者QOLに大きく影響します。

T-P(ケア・処置)の背景と根拠
褥瘡治療では、**原因の除去(除圧・除湿)と創傷環境の最適化(湿潤環境保持)**が原則です。特に深部損傷リスクのある仙骨部・踵部では2時間ごとの体位変換が基本ですが、患者のADLや関節拘縮を考慮した個別対応が求められます。
創傷処置では、デブリードマンや滲出液管理、適切な被覆材選定が治癒期間の短縮に直結します。疼痛緩和や創処置時の声かけも、処置継続へのモチベーション維持や不安軽減に大きく関与します。
さらに、感染兆候(発赤、膿、臭気など)の早期発見は重症化予防に直結するため、日々の視診・嗅覚・触診を含めた五感での観察が重要です。栄養状態の改善は肉芽形成や創傷治癒を促進するため、NSTなど多職種との連携が必要不可欠です。

E-P(教育・指導・生活支援)の背景と根拠
褥瘡予防・治療には、患者や家族の理解と協力が欠かせません。除圧の必要性や体位変換方法の習得、スキンケアの実践など、日常的なケア行動を患者自身が担えるよう支援することが重要です。
また、在宅移行後のケア継続のために、訪問看護や福祉用具、介護保険制度など社会資源の紹介も看護師の役割です。心理面では、「皮膚の損傷=恥ずかしい」「臭いが気になる」など患者の自尊心を損なうことがあり、羞恥心への配慮と共感をもった接し方も大切です。

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⭐︎皮膚統合性障害のリスク(皮膚トラブル)の看護計画
⭐︎栄養状態の改善・維持に向けた看護計画

についての医学的知識や看護の要点は、看護roo!およびMSDマニュアル家庭版にて確認できます。疾患の理解と早期対応の重要性をふまえ、看護実践に役立つ情報源として活用できます。

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