短期目標
・排便の頻度や便性状について自覚的に表現できる
・排便に関する不快感や生活への影響を言語化できる
・食事、水分、運動、排便習慣の改善点を理解できる
・排便補助薬や浣腸などの使用に対する抵抗感を軽減できる
長期目標
・排便パターンを把握し、セルフケアで排便をコントロールできる
・食生活や生活リズムを整え、自然排便が維持できる
・排便困難時に自己判断で適切な対処や受診ができる
・便秘に伴う苦痛を軽減し、生活の質を維持できる
O-P
・排便の頻度、便性状（BSスケール）、排便時間・場所・姿勢
・排便時の苦痛（腹痛、排便困難、残便感、出血など）の有無
・食事摂取量・内容、水分摂取量、活動量、排便習慣の把握
・腹部膨満感、腸蠕動音、腹部触診による硬便の有無
・排便補助薬・浣腸・摘便歴とその効果・副作用の確認
・排便に対する心理的抵抗感（羞恥心、不安、ストレス）の有無
T-P
・毎日の排便記録（時間、性状、排便感）を支援し、パターン把握を促す
・便意を我慢しないよう促し、トイレ環境（清潔、プライバシー、足置きなど）を整える
・医師の指示に基づく下剤・浣腸・摘便の適切な実施と反応の観察
・腹部マッサージや温罨法、早朝の排便促進を目的とした起床後の水分摂取を介助または指導
・ベッド上での排便困難時はポータブルトイレ使用や移動介助を実施
・排便を促す身体活動（リハビリ、歩行など）を日常に取り入れる支援
E-P
・便秘のタイプ（弛緩性、直腸性、痙攣性など）と原因を説明し、セルフケアの必要性を理解させる
・食物繊維・水分の摂取量とタイミング（食後・起床時など）を具体的に指導
・排便習慣の確立（毎日決まった時間にトイレに座るなど）の重要性を伝える
・下剤依存を防ぐため、薬剤の作用・副作用・継続の注意点を指導
・便秘に伴う不安・羞恥心に対して、看護師が相談可能であることを伝え、心理的安全を提供
・高齢者や認知症患者では、排便異常がせん妄・食欲不振・転倒などに波及することを説明
O-P（観察・評価）の背景と根拠
・便秘は主観的症状であるため、患者の感じている不快感と排便パターンを客観的に記録し、便秘の型や重症度を判断する必要がある
・腸蠕動音、腹部膨満、触診所見などの身体所見は、便秘の進行状況や腸閉塞のリスク評価に重要である
・薬剤歴や排便補助行動の有無は、慢性便秘の背景にある生活習慣や精神的要因を把握する手がかりとなる
T-P（ケア・処置）の背景と根拠
・定期的な排便記録は便秘の自覚と自己管理を促進し、効果的なケアにつながる
・適切なタイミング・姿勢・環境での排便は、反射を促進し排便の成功率を高める
・医師の指示による下剤・浣腸・摘便の実施は、過度な我慢や苦痛を防ぎ、排便パターンの再構築を支援する
・運動と温罨法・腹部マッサージの組み合わせは、腸蠕動を活性化させ、自然排便を促す
・トイレ環境や羞恥心への配慮は、排便抑制行動の軽減とQOLの維持に寄与する
E-P（教育・指導）の背景と根拠
・慢性便秘症は生活習慣病的な側面が強く、自己管理により長期的改善が可能な疾患である
・水分・食物繊維の摂取、排便習慣の固定は腸内環境の改善と便通安定化に効果的である
・下剤の漫然使用は耐性・依存・大腸黒変症の原因となるため、医師の指示下での使用が必要である
・心理的な羞恥心や不安を軽減することで、スムーズなケア介入や患者の自己開示を促進できる
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